ジャカード と イカット

よくお店の方と話していて感じるのがイカット(絣染め)がどういう物かよくわからない方が多いようなので簡単に説明します。

その前に

 

よく混同されるのがジャカードかと思います。

どちらも先染め(糸の時点で染めてある)ですが ジャカードは2色以上の糸をセットしておいて 織る都度どの色が表に出るかを調節することで柄を出します。

これはジャカード機が発明された当初(1800年頃)のものに限りなく近い元祖ジャカード機と言っても良いもので現在も現役で使われているのは自分が知る限りバリにあるこの工場だけです。

機械の左側に紙があるのがわかるかと思います。 これがジャカードの設計図で厚紙に穴が開けてありその穴の位置によってどの糸を上げる 下げる どの糸を入れるという指示が出されるわけです。

昔のオルゴールや自動ピアノにも同じ技術が使われてましたね。

ジャカード機はそのままでこの穴あき厚紙(パンチカードといいます)を変えることで柄 色を変えることが出来るのです。

 

イカットは、、

全く違うテクニックで最古の装飾布のテクニックと言えるかと思います。

イカットという言葉がインドネシア語であることからインドネシアが起源でないかと言われています。

これは経糸(たていと) 横糸をそれぞれ織られた後の状態を想定して張ります。

このように生地巾になるように必要な数の経糸を生地の長さ(約50m)になるように張ります。

そして染めたくない部分をこのように隠して(黒い部分)染まらないようにします。

横糸も同じように染めたくない部分を隠します。

  そして糸を染めます。

 

織るときにその染めた部分と染まっていない部分が合うように織っていくのですが若干はずれます。 その為イカットの柄は際がぼやけたようになりそれが味となるのです。

この手間の結果このように素晴らしい生地が出来上がるのです。

横糸を入れるたびに微妙に合わせていく必要があるので手織りでしか出来ません。

すごく手間のかかる織り方で 何より高等な技術を必要とする特別な生地なんです。